

日本の伝統楽器である篠笛の音律は、唄用篠笛であっても厳密なドレミ音階を求める西洋楽器と基本的に考え方が異なります。“一つの音をつくりあげる”微妙な味や楽しさを大事にしています。 特に唄用については、昨今どの笛師もプロ演奏家の技術にそって調律器を使用しながら音律を計っています。しかし出来る限り素材を生かして加工をさける製作者や、吹きやすく現代的な音律を主にしている製作者などさまざまです。 吹奏技術や吹き方のくせ、製作者により音律には多少差が出ることをご理解の上、吹き込むほどになじむ篠笛の魅力を十分にお楽しみください
◆特長①
祭囃子・神楽・獅子舞などで昔から用いられてきた篠笛を「囃子笛」または「古典調」と呼びます。
「囃子笛」は、ほぼ同じ大きさの指穴が等間隔で並んでいるのが特徴です。
(下記にある囃子笛と唄笛の指穴をご覧ください)
囃子笛は郷土色豊かな音色や音律を目的としているため、ドレミ音階とは異なります。ドレミ音階を吹くためには「唄用笛」を使用します
◆特長②
囃子笛は作られた地方や作り手によって、調子(音律)が若干異なることがあります。
例えば東京・神田の6本調子と、千葉や群馬の6本調子は必ずしも同調子ではありません。
ご購入の際は、今お持ちの笛と購入予定の笛の調子が同じものかどうか確かめましょう。
※゛B♭"または゛B"という表記はあくまで目安です。
◆素材について
素竹(すだけ)
装飾をしていない笛です。竹そのままの手触りと素朴な味わいが楽しめます。乾燥には特に気をつけることが大切です。
煤竹(すすたけ)
わらぶき・かやぶきの古民家で、「いろり」の煙に長年さらされて「煤」(すす)の油がしみこんだ竹を「煤竹」(すすだけ)と呼びます。黒茶色の古風な外見で、乾燥にも強く大変高級感あります。煤竹で作られた篠笛は大変稀少です。
いぶし竹
「煤竹」(すすだけ)は、手に入れることが難しくなって来た為、人工的に数週間燻した竹です。「煤竹」の特徴を有し乾燥に強く、黒茶色の外観です。
◆籐巻について
天地籐(糸)巻(てんちとうまき)
笛の両端を天地とよび、その部分に糸巻や籐巻きがされている笛です。最小限の割れ防止策と装飾を兼ねています。
半重籐(糸)巻(はんしげまき)
天地と、指孔一つ置きに糸巻や籐巻がされている笛です。
総籐巻(そうとうまき)
指孔の間隔すべてに糸巻きや籐巻がされている笛です。
朱総籐巻(しゅそうとうまき)
総籐巻の籐に朱色がほどこされている笛です。大変見栄えのする美しい仕上がりの笛です。
◆塗りについて
カシュー塗り
カシュー樹脂塗料で新ウルシともいわれ、かぶれる心配が無く、天然漆に似た仕上がりを得られるので楽器に多用されています。
漆塗り
究極の塗料といわれる天然の漆は、季候変化に強く、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に大変優れています。
伝統的な高級楽器は漆塗りが使われています。
拭き漆
竹の表面に漆を塗り、その漆を拭き取って仕上げます。竹の模様が活き、より深いつやを帯びてきます。
研ぎ出し塗り管
塗料をかけては磨き、かけては磨く、という作業を何度も繰り返し、独特の艶と色合いを出していきます。