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篠笛とは (よくある質問)

 よくある質問は下にあります↓

◆篠笛とは

篠笛は篠竹(しのだけ)とよばれる細めの天然の竹で作られ、表面に6つあるいは7つ孔があけられた日本古来の素朴な横笛です。 篠笛には大きく分けて唄用笛(うたようぶえ)とお囃子笛(おはやしぶえ)の2種類あります。

唄用は長唄や民謡を吹くために作られた笛ですが、現代ではさらにきびしい調律がほどこされるようになり、 ドレミ音階への対応が可能となりました。そのため西洋楽器との演奏など、大変活躍の場が広がってきています。

お囃子用は各地のお祭りなどで使用され、特に日本独特の音階が特徴です。 竹に均等に穴をけて作られている素朴な篠笛で、厳しい調律にはこだわらず、それぞれ郷土の味を大切にしています。

篠笛は価格が手ごろなこと、ハンディで持ち運びや手入れが簡単なこと、手作りが比較的簡単に楽しめることなどから年齢を問わず愛好されています。
横笛には、雅楽で吹かれる龍笛(りゅうてき)、能で吹かれる能笛(のうかん)などもあります。


◆歴史

中国より伝来し平安時代に"田楽"の中で使用されたのがルーツといわれます。

---田楽とは当時の農村で田植えなどの農耕儀礼に笛や太鼓をならしながら唄い舞った田遊びで、 つまり初期の頃の篠笛は一種の村祭りの楽しみといいますか、地域社会の楽しみのために吹いていたのです。---

「横笛の魅力」福原百之助(人間国宝)
このように篠笛は地域社会に密着しながら生き続けてきた大衆芸能の笛といえます。 日本人の生活ときってもきれないお祭りや、歌舞伎の長唄の伴奏などに欠かせない笛で、誰でも一度は耳にする音色です。


◆笛の種類(当社取扱いの主な2種類)

唄用
民謡や長唄に使用される笛で、一般的な曲のメロディーを吹くことができます。

お囃子用
お祭りや獅子舞などで吹かれる笛で独特の音階をもっています。一般的な曲のメロディーを吹くには適していませんが、 各地のお祭りでは郷土特有の音楽を味わうことができます。


◆音色と音域
素朴で柔らかな音色と繊細で澄んだ音色が特長です。2オクターブ以上3オクターブ近い音域が可能です。
 

◆笛の調律について

日本の伝統楽器である篠笛の音律は、唄用篠笛であっても厳密なドレミ音階を求める西洋楽器と基本的に考え方が異なります。“一つの音をつくりあげる”微妙な味や楽しさを大事にしています。 特に唄用については、昨今どの笛師もプロ演奏家の技術にそって調律器を使用しながら音律を計っています。しかし出来る限り素材を生かして加工をさける製作者や、吹きやすく現代的な音律を主にしている製作者などさまざまです。 吹奏技術や吹き方のくせ、製作者により音律には多少差が出ることをご理解の上、吹き込むほどになじむ篠笛の魅力を十分にお楽しみください

 

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よくある質問
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  1. どんな音なの?音はすぐ出るの? 一人でも吹けるようになる?
  2. たくさん種類があるの? その1:唄用(うたよう)と囃子用(はやしよう)って?
  3. たくさん種類があるの? その2:○本調子って?
  4. たくさん種類があるの? その3:なぜ長さが色々あるの?
  5. 最初はどれを買えばいい?
  6. 吹きやすい笛&いい笛は?
  7. 笛の価格帯は?
  8. 他の楽器と合奏できる?
  9. 手入れはどうしたらいい?
  10. 楽譜はどういうの?
  11. なんだか堅苦しそう...
  12. どこで習えるの?
  13. 正しい指の押さえ方は?(フルートとは異なります!)
  14. (吹き始めたけど)高い音がなかなか出ない...
  15. お囃子笛ってどういう笛?
  16. 笛の装飾の違いって?

1.どんな音なの? 音はすぐ出るの? 一人でも吹けるようになる?

割合に音が出しやすい楽器ですので、心配はいりません!軽い気持ちで始めてみて下さい。 ただ、はじめに癖がついてしまうと後で直すのが大変ですので、最初は先生に習った方がよいでしょう。
 

2.たくさん種類があるの? その1:唄用(うたよう)と囃子用(はやしよう)って?

唄用と区別して囃子用という言い方をしますが、囃子を吹くためのものという意味ではありません。 昔の笛は竹にを開けて中を塗っただけのもので、音程は関係ありませんでした。 昔はドレミ音階という考えがなかったため、単純に孔を開けただけだったのでしょう。 今では改良がすすみ、ドレミ音階に律の合う唄用が幅広く普及しています。
 

3.たくさん種類があるの? その2:○本調子って?

笛の頭の所に漢数字が書いてありますがこの数字が笛の調子を表します。篠笛には最も低い調子の笛から順に1本調子、2本調子…と呼び、最も高い調子の12本調子までがあります。 つまり洋音階でいうと1本調子がF、2本調子がG♭というように調子が一つ上がるたびに半音づつ律が上がっていきます。 それぞれの間 には半音ずつの音の高さの違いがあるわけです。長さも1本調子が一番長く、律が上がるごとに12本調子まで少しずつ短くなります。 民謡や長唄などでは唄う人の声の高さに合わせたり、三味線の調子に合わせたりするので、何本もの笛を揃えます。 最近では個人で楽しむ場合や、洋楽器と合わせることが多く、実際には6本、7本、8本調子あたりがポピュラーです。 (株)目白でもこの6、7、8本調子を目白オリジナルとして販売しています。

 

 

4.たくさん種類があるの? その3:なぜ長さが色々あるの?

1本調子から12本調子までの長さ(調子)があることは述べました。 では、なぜこれだけの長さがあるのかというと、篠笛という楽器は竹に孔を開けただけの楽器で、チューニングができないからです。 それで、色々な長さ(調子)の笛を使って音の高さを変えるわけです。

 

 

 

 

5.最も多く使用されるサイズは?結局、最初はどれを買えばいい?

篠笛で最も使用されるサイズは唄用の6本調子と7本調子です。最初はこのどちらかをおすすめします。

:ポピュラーな音楽や童謡、歌謡曲などをやりたい
唄用の6本調子か8本調子がおすすめです。8本調子はC調子(基音がピアノやリコーダーと同じ)ですし、 6本調子は8本調子より少し(1音)低めの音で耳に心地よく、童謡などを吹く場合に適しています。
 
:長唄や民謡をやりたい
唄う人の声の高さや三味線に合わせるので、何本もの笛を揃えなくてはなりません。
 
:お囃子をやりたい
お囃子と一口に言っても様々です。 実際に自分が参加する囃子をやっている人にどんな笛を使ったらいいいか相談するのが一番です。
<参考までに…江戸囃子=5本調子又は6本調子 秩父屋台囃子=2本調子又は3本調子 阿波踊り=7本調子 ※但しこれはあくまでも参考です。グループによって異なりますのでご注意下さい。>
 
:独奏、作曲したい
自分の感性で最良の笛を選んで下さい。
 

6.吹きやすい笛は?&いい笛は?

その人の唇の形や吹き方にもよりますので、実際に吹いてみてよく鳴る笛がいいでしょう。
「いい笛」というのは難しい質問ですが、息がスッと入り、竹が鳴るような感じの笛が「いい笛」の一つの考え方でしょう。 ただこれは目指す音楽や表現したいものによって違ってきますから、最終的には色々な笛を吹いてみて自分が「これだ!」と思う笛がよいと思います。 (株)目白ではなるべく沢山の笛を吹いて頂ける様、在庫を揃えております。ぜひ一度ご来店の上、お試し下さい。
 

7.笛の価格帯は?

8.他の楽器と合奏できる?

出来ます!三味線やお筝、三味線などの和楽器とはもちろん、ピアノやギターなどの洋楽器にももちろん合わせられます。
 

9.手入れはどうしたらいい?

長時間吹くと管内に露(つゆ)がたまります。露きりというもので軽く拭います。
露きりはガーゼなどの柔らかい布に紐をつけ、その先におもりをつけたものです。
篠笛は自然の竹で出来ている為、乾燥に弱い楽器です。 冷暖房の強い所に長時間置いたり、直射日光に当てたりするとひび割れが入ることがあります。 日の当らない風通しの良いところでの保管をお勧めいたします。
また、乾燥を防ぐた為、笛の外側を必要に応じて精製オリーブ油などのあまりベタつかない植物性油を塗るといいでしょう。 
 

10.楽譜はどういうもの?

数字譜と言われるものを使用します。数字譜は篠笛の指使いを表し、どの調子の笛でも使用できます。
1、2、3という数字でどの指を押さえるか表してありますので、 五線譜が苦手な方もすぐに覚えられます。最近では、曲全体を理解するために五線譜(西洋楽譜)を参考として併記している本が多くあります。
 

11.なんだか堅苦しそう...

そんなことは全くありません!普段着でかまいませんし、家元制度などもありません。お好きな時に気軽に始めて下さい♪
 

12.どこで習えるの?

最近ではカルチャースクールなどで教えているところが大分多くなりましたし、インターネットなどで探せば見つかることもあるようです。 しかしどこででも習える、という訳にはいきませんし、時間が合わなかったりもします。(株)目白 の個人レッスンは1回ごとのご予約制なので、ご都合に合わせたレッスンが可能です。 唄用、囃子用どちらもレッスン可能です(お囃子は江戸囃子が中心になります)。1ヶ月何回来なければならない頻度などの制約は全くありません。 遠方の方も東京にお出での際にでもお気軽においで下さい!個人レッスン日はHPのレッスン&セミナーのページでご確認ください。
 

13.正しい指の押さえ方は?(右利きの場合)

フルートなどを演奏する方は、篠笛を持つとき指先で押さえようとします。ですが小指が短いため届かないことがあります。
篠笛の場合、右手は指先で押さえません。「第一関節と第二関節の中間」で指孔(ゆびあな)を押さえます。 まず右手小指の位置を決め、薬指、中指、人差し指と合わせていきます。
左手は右手と異なり、指先の腹で指孔を押さえます。
 

14.(吹き始めたけど)高い音がなかなか出ない...

笛は約2オクターブ以上の音を出すことが出来ます。オクターブの音を出すには、息遣いが重要です。 お腹に力を入れて出す息を細く、鋭くしてみましょう。最初は出にくいかもしれませんが、練習しているうちに必ず出せるようになります。

 

15.お囃子笛について

◆特長①

祭囃子・神楽・獅子舞などで昔から用いられてきた篠笛を「囃子笛」または「古典調」と呼びます。

「囃子笛」は、ほぼ同じ大きさの指穴が等間隔で並んでいるのが特徴です。
(下記にある囃子笛と唄笛の指穴をご覧ください)
囃子笛は郷土色豊かな音色や音律を目的としているため、ドレミ音階とは異なります。ドレミ音階を吹くためには「唄用笛」を使用します

◆特長②

囃子笛は作られた地方や作り手によって、調子(音律)が若干異なることがあります。

例えば東京・神田の6本調子と、千葉や群馬の6本調子は必ずしも同調子ではありません。
ご購入の際は、今お持ちの笛と購入予定の笛の調子が同じものかどうか確かめましょう。

※゛B♭"または゛B"という表記はあくまで目安です。

同じ6本調子を並べた様子↓

(笛によって歌口から第一孔までの長さが違います)

 

 
なにも装飾のされていない笛を「素竹(すだけ)」、笛の両端(唄口側と管尻側)に数センチ程に籐や桜の樺などを巻いて装飾してあるものを「天地巻」といいます。 籐や桜の樺を巻くのは装飾のためと、竹が割れるのを防ぐという役目があります。また、笛作りのプロの方によると、籐などを巻くことによって音が「しまる」そうです。天地巻のほかにも、指孔(ゆびあな)の間ごとに巻いてある「総巻(そうまき)」や、何箇所かに巻いてある「半重巻(はんしげまき)」などがあります。

 

◆籐巻について

天地籐(糸)巻(てんちとうまき)

笛の両端を天地とよび、その部分に糸巻や籐巻きがされている笛です。最小限の割れ防止策と装飾を兼ねています。


半重籐(糸)巻(はんしげまき)

天地と、指孔一つ置きに糸巻や籐巻がされている笛です。

総籐巻(そうとうまき)

指孔の間隔すべてに糸巻きや籐巻がされている笛です。

朱総籐巻(しゅそうとうまき)

総籐巻の籐に朱色がほどこされている笛です。大変見栄えのする美しい仕上がりの笛です。

 

◆素材について

素竹(すだけ)

装飾をしていない笛です。竹そのままの手触りと素朴な味わいが楽しめます。乾燥には特に気をつけることが大切です。

 

煤竹(すすたけ)

わらぶき・かやぶきの古民家で、「いろり」の煙に長年さらされて「煤」(すす)の油がしみこんだ竹を「煤竹」(すすだけ)と呼びます。黒茶色の古風な外見で、乾燥にも強く大変高級感あります。煤竹で作られた篠笛は大変稀少です。

いぶし竹

「煤竹」(すすだけ)は、手に入れることが難しくなって来た為、人工的に数週間燻した竹です。「煤竹」の特徴を有し乾燥に強く、黒茶色の外観です。

◆塗りについて
カシュー塗り
カシュー樹脂塗料で新ウルシともいわれ、かぶれる心配が無く、天然漆に似た仕上がりを得られるので楽器に多用されています。

漆塗り
究極の塗料といわれる天然の漆は、季候変化に強く、耐水性、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性に大変優れています。
伝統的な高級楽器は漆塗りが使われています。

拭き漆
竹の表面に漆を塗り、その漆を拭き取って仕上げます。竹の模様が活き、より深いつやを帯びてきます。

研ぎ出し塗り管
塗料をかけては磨き、かけては磨く、という作業を何度も繰り返し、独特の艶と色合いを出していきます。


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